多くの人が宜蘭県三星郷に来るのは山海の珍味のためではなく、ほっぺたが落ちるくらいおいしい旬の三星ネギを味わうためである。三星郷は雨量が多く、土壌や水質の汚染が少ないので、青ネギは品質に優れ、白い部分が長いのが特徴となっている。また、細めで、水分が多く、香りもよく、食べると甘くて、嫌な辛味はない。味と香りが濃厚で、歯切れがよく、へタレにくいので、通常の家庭料理の付け合せから、料理の主役になりえる。
三星郷の農会は2006年、三星郷のネギ・ニンニク料理に対する人々の期待に対応するため、穀物倉庫を「葱蒜美食館」に改装し、田媽媽(ティエンママ)のメンバーと協力して様々なネギ・ニンニク料理の提供を開始した。メニューは季節により2ヶ月から3ヶ月ごとに変更される。これまで、100種類以上の料理が考案され、好調な業績を残している。
「毎日平均15キロ近くの三星ネギを使い切る。」スタッフの劉燉祺(リョウ・ドゥンチー)さんはこう自慢する。複雑な調理方法は必ずしも必要ない。三星ネギのおいしさは湯通しした後、カキ油に少しつけるだけでおいしさを十分堪能できる。
三星の三つの宝である「三星ネギ、白ニンニク、上将ナシ」はどれも料理に使用できる。上将ナシの発売時期は毎年7月1日からで、ネギとナシを使ったメニューの「葱梨餐」がそれに合わせて提供される。肉質がきめ細やかで、香りがよく、甘くて、汁の多い上将ナシは牛肉料理、アオリイカ料理、鶏のスープなどによく合う。上将ナシの収穫時期は7月から9月までで、生産量は少なく、コストが高いので、生産地でしか食べられない。したがって、期間限定で提供される葱梨餐は夏の時期非常に人気がある。
お土産で最も人気の高い「紅麴香葱包」(紅麴ネギパン)は宜蘭酒造工場自家製の紅麴がパン生地に入っている。外側は手作りパンのような食感で、内側は豚のひき肉とネギが幾層にも重なり合って絶妙の香りをかもし出している。ここでは四季を通じてネギやニンニクのおいしい料理を堪能できる。食べるのをあきらめられない場合は、となりの展示館に行って新鮮な三星ネギや上将ナシなど宜蘭の特産物を購入して、三星郷のおいしさを残らず持ち帰ることもできる。
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GPS:E121 39.08