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南投 国姓

桑園工坊

桑園工坊の開業は1999年の台湾大地震までさかのぼる。それまでは一主婦であった侯文玫(ホウ・ウェングェイ)さんは、地震を経験して人生のはかなさを意識し、「自分の一生はこれでよいのだろうか」と思うようになり、残りの人生を用いて自分のやりたいビジネスを起業したいと考えた。侯さんは中華料理、カクテルの調合、菓子作りなどを意欲的に学んだが、小さい時からパンが好きだった自分が菓子作りに興味があることに気づいた。そこで、同じ理念の田媽媽(ティエンママ)のメンバー幾人かと共に、自分たちの夢を実現するため、「桑園工坊」を開店した。

侯さんの家では桑の実を栽培しており、毎年3月から4月の収穫後、桑の実をジャムに加工している。また、旬の新鮮な食材を使って梅の酢やジャムなどを製造している。菓子の原料はホウさんの家の新鮮な果物で、材料の調達から、餡作り、手作り生地の作成、焼き上げまで行っている。これらの素朴なデザートは、口に入れた時に、人工的な香りや甘さはなく、一口かむごとに、やさしい甘さが味蕾の上にゆっくり広がる。

「手作りタロイモケーキ」は南投大石のタロイモを使用している。同地のタロイモはでんぷん質が多く、ゆでて作ったきめ細かい餡はタロイモのあっさりとした上品な香りを伝えるだけでなく、タロイモの口当たりも残している。侯さんは毎年4月に収穫する梅を塩漬けにし、2年後に汁を抽出し、タチナタマメを加えて餡を製造している。薄い褐色の生地で餡を包んだ「梅ケーキ」は昔ながらの甘酸っぱい味を伝えている。

開業当時を振り返ると、製品の味が決まるまでは1年以上試行錯誤が続いた。また、店舗がないため、顧客は自分たちで開拓するしかなく、家々を訪ねて、味見をしてもらった。「困ったとき、細かいことは気にしていられない」と、侯さんは語っている。侯さんたちは作り置きせず、注文を受けてから手作りすることにこだわりを持っている。母親としての実直さと真面目な態度が多くの固定客の心をしっかりつかんでいる。

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